6/03/2007

月隠


何時だって傍にいたのに



気づこうとしなかった



彼女はただそこに佇み



見つめていた



風が歌う



月の暖かさを



星が教える



夜の明るさを



「目を背けないで」



彼女は語り掛ける



鏡の前でも気づくことはなかった



大きな翼の残像が地面に浮かぶ



そうそれは影



彩り始めた翼は躍動する



それは私



白き羽根が頬を掠めた